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FileMaker v.15発売 FileMaker Pro(クライアント版)がついに無料に? 05/11/2016 04:19:47

トレンドの波に乗り遅れるということは、ITの世界では死活問題である。かつて1本38,000円もしたFileMaker Proのライセンスは、2015年5月11日、ついに「無料」という販売形態を広げることとなった。

無料といえば、ブラウザベースのASP/SaasといったWebアプリケーションが代表的で、高額なオフィスアプリケーションやパッケージソフトを過去の遺物とし、ネット世界の拡大とともにユーザーの評判を獲得してきた。しかし、ブラウザベースのアプリケーションは使い勝手の点ではまだまだそれには及ばない魅力がある。速いレスポンス、安定した稼働、充実した開発環境など、はやりパソコンの歴史と共に歩んできたデスクトップアプリケーションの優位性は捨てがたいものがある。

FileMakerもそんなデスクトップアプリケーションの魅力から、根強いファンが多いことは確かだが、Webアプリケーションにシフトしてきたユーザーに対しても、無料という最高のフレーズで大きな注目を集めることになるだろう。

新たにリリースされた無料のFileMaker Pro「ユーザ接続版」は、必ずFileMaker Serverに接続して起動する必要があり、パソコン単体だけでは使えないということも重要だ。FileMaker Serverに接続していないで10分ほど経過すると、上図のダイアログが出て、なにかしらサーバー上のファイルに接続しない限り使い続けることはできない。こちらのプログラムはインストール時にシリアル番号は要求せず、インストールすること自体に制限は無い。もちろん、起動時のネットワークプロテクトも無い。プログラムは通常のFileMaker Proとは異なるので、試用版をインストールしてあった場合、ライセンスキーを入力してこのFileMaker Pro「ユーザ接続版」に切り替えることはできない。

そこで今回新しく加わったFileMaker Serverライセンスパターンが、FLT(FileMaker Licensing for Teams)だ。

FLTは、FileMaker Serverに接続する確定したユーザー数を前提にしたライセンスというのが特徴で、いままでの同時接続数ライセンスのFileMaker Pro/Go版+ユーザー特定という概念になる。FileMaker Pro「ユーザ接続版」を無料のFileMaker Goのような感覚でインストールして使うことができ、FileMaker Serverに接続する際に最大同時接続数の範囲内で使用できるが、接続できるFileMaker Pro/Goライセンスはきちんと接続ユーザー個人を特定・限定し、「特定されたユーザー」での同時接続数で制限される。たとえば、いままでは100台のiPadを企業で利用していた場合、同時接続数を超えなければ交代に100台すべてのiPadからFileMaker Serverへ接続できたが、このライセンスでは5ユーザー接続であれば特定ユーザーが所有する5台のみしか同時接続できない。

一方、いままでのように交代でFileMaker Serverに接続して最大同時接続数を超えない、という使用方法をご希望であれば、FileMaker Pro「ユーザ接続版」のついたFileMaker Server同時接続ライセンスが候補になるだろう。こちらは今まで通りにFileMaker Goと、さらにFileMaker Pro「ユーザ接続版」も、同時接続数を超えない限りは、どの機器からでも(ライセンスされた企業での利用に限定して)接続は可能だ。

ただし、新しい同時接続ライセンスの1接続数あたりの単価は今までとは桁違いで、88,380〜153,000円にもなる。この対価を享受できる使い方ができるかどうかは難しいところだ。



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